若い女性に増加するセルフネグレクトとは?原因や特徴、予防策を解説

セルフネグレクトとは?
「ネグレクト」という言葉は、一般的に子供や高齢者など、保護が必要な人を適切にケアせず放置することを指します。一方で、「セルフネグレクト」は、自己放任を意味し、日常生活に対する関心を失い、自分自身を適切にケアしなくなる状態を指します。
セルフネグレクトの代表的な行動として、以下のようなものがあります。
- ゴミ出しを面倒に感じ、部屋がゴミだらけになる
- 入浴を怠り、清潔を保たなくなる
- 体調を崩しても病院へ行かない
セルフネグレクトは年代や性別を問わず誰にでも起こり得るものであり、自覚しづらいのが特徴です。この状態が続くと、周囲との関わりが減少し、生活環境や健康状態が悪化し、最悪の場合、孤独死や孤立死につながることもあります。そのため、セルフネグレクトは「緩やかな自殺」とも表現されることがあります。
特に若い女性のセルフネグレクトは、働き盛りの世代(20代〜40代)での孤独死の原因になりやすいとも言われています。
本記事では、若い女性に見られるセルフネグレクトの特徴や原因、予防策について詳しく解説します。
セルフネグレクトになりやすい若い女性の特徴
1. 外見では気づかれにくい
女性のセルフネグレクトは、男性と比べて外見では判断しづらい傾向があります。たとえ自宅がゴミ屋敷状態であっても、外出時には身だしなみを整えているため、周囲から問題を抱えていることに気付かれにくいのです。
また、以下のような特徴を持つ女性は、生活環境が悪化しやすく、セルフネグレクトに陥るリスクが高いと言われています。
2. 仕事が激務
キャリアウーマンやサービス業の女性は多忙な日々を送り、家事や食事をする余裕がないことが多く、生活環境が乱れやすくなります。特に夜勤がある看護師や介護士など、不規則な生活を送る職業の方は注意が必要です。
3. 掃除が苦手
整理整頓が苦手な女性は、部屋が散らかっていても片付けられず、徐々に生活環境が悪化していきます。「女性の部屋は綺麗であるべき」という社会的な固定観念により、他人に相談しづらくなり、結果的にセルフネグレクトが進行してしまうことがあります。
4. 物を捨てられない
「もったいない」「物を大切にしたい」という気持ちが強いと、物がどんどん溜まり、部屋が生活しづらい環境になっていきます。その結果、ストレスが増し、セルフネグレクトのリスクが高まります。
5. 周囲に助けを求められない
「人に頼るのが苦手」「甘えだと思われたくない」という思いから、誰にも相談できずに一人で悩みを抱え込んでしまうことも、セルフネグレクトにつながる大きな要因です。
6. 孤独や不安を抱えている
社会的に孤立している女性は、寂しさを紛らわすために物を大量に購入する傾向があります。その結果、部屋が物であふれ、ますます生活しづらくなります。
若い女性のセルフネグレクトの増加
1. 経済的な問題
総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)2022年」によると、非正規雇用の割合は男性669万人に対し、女性は1432万人と約2倍以上の差があります。特にシングルマザーや一人暮らしの女性は、低収入のため生活が苦しくなり、セルフネグレクトに陥りやすくなっています。
2. 健康管理の後回し
株式会社ツムラの調査では、20代〜30代の女性が「体調が悪くても仕事や家事を我慢して行う」割合が最も高いことが報告されています。このような無理が積み重なることで、生活環境が乱れ、セルフネグレクトにつながる可能性があります。
あなたは大丈夫?セルフチェック
セルフネグレクトは自覚しづらいため、以下のチェックリストで確認してみましょう。
✅ ゴミを出せていない、部屋に溜まっている
✅ いつも同じ服を着ている
✅ 郵便物を放置している
✅ 電気やガスが止まっても放置している
✅ 食事が適当になっている
✅ 家に引きこもる日が多い
✅ 入浴や歯磨きを怠ることがある
✅ 物が捨てられない
チェックが多いほど、セルフネグレクトの可能性が高くなります。
セルフネグレクトを予防するには
セルフネグレクトを予防するためには、以下の対策が有効です。
1. 人との交流を増やす
習い事やボランティア活動、友人との定期的な交流を増やすことで、孤独感を減らすことができます。
2. 生活環境を整える
掃除や片付けが苦手な場合は、不用品回収業者やハウスクリーニングサービス、整理収納アドバイザーに相談するのも一つの手です。
3. 専門家に相談する
精神的なストレスやうつの症状がある場合は、カウンセリングや医療機関に相談することが大切です。
まとめ
若い女性のセルフネグレクトは、外見からは分かりにくいため、支援が遅れがちです。特に20代〜30代の女性は、仕事や育児でストレスを抱えやすく、気づかないうちにセルフネグレクトに陥ることがあります。
もし身近にセルフネグレクトの兆候がある女性がいたら、優しく声をかけ、必要に応じて専門家への相談を勧めましょう。